早いもので2023年もあと少し
年の瀬が近づく師走、大掃除の季節がやってきましたね。近所のおばあちゃんが膝を悪くし、年末に歩けなくなった方がいらっしゃいました。その方が、「大掃除せんでも年は越せるもんじゃね。」と言っていたのを思い出します。
寒さが本格的になってくる12月は年末年始の忙しさで体調を乱してしまわないように栄養満点の旬のものを食べて英気を養いましょう。12月の旬の食材は野沢菜、芽キャベツ、カリフラワー、れんこん、大根、春菊など。代表的なものだけでもこれだけあります。
冬に旬を迎える食材の多くは、寒さで凍ってしまわないように細胞に糖分を蓄えます。ただの水ではなく、糖分を多く含む水は0℃でも凍らず、厳しい寒さを乗り越えられるようになります。そのため、冬の食材は糖度が高く、甘くて美味しいという特徴があります。また、ビタミンが豊富で免疫力アップのサポートをしてくれるものが多いため、疲労回復にも役立ちます。
その中でも今回は小松菜について触れていきたいと思います。小松菜の栄養素として特に注目すべきなのはβ―カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄、食物繊維です。
β―カロテンの特徴的な働きは、活性酸素と呼ばれる、身体を酸化してダメージを与える物質を取り除く抗酸化作用です。さらにβ―カロテンは体内でビタミンAとして働き、皮膚や粘膜の健康維持にも役立ちます。そのため、のどや鼻の粘膜の維持して風邪や病気になりにくい体を造ることができます。
鉄といえばひじきを思い浮かべる人が多いかもしれません。実は小松菜にも鉄も多く、ひじき100gあたりの鉄は2.7mgに対し、小松菜には100gあたりの鉄は2.8mgも含まれています。しかし、小松菜に含まれる鉄は非ヘム鉄と呼ばれるもので、あまり吸収がよくないものになります。そのため、小松菜を食べるときには鉄の吸収を良くする動物性のタンパク質やビタミンCと一緒に摂るようにしましょう。
小松菜にはカルシウムも多く含まれていますが、乳製品と比べるとカルシウムの吸収率はあまりよくありません。なぜなら野菜の一部には、カルシウムの吸収を妨げる物質が含まれている場合があるからです。そのため効率よくカルシウムを摂取するためにはビタミンDと一緒に食べると良いでしょう。ビタミンDはきのこ類や魚に多く含まれています。
小松菜は茹でてもβ―カロテンの量は変化しませんが、ビタミンC,カルシウム、鉄の量は減少します。とくにビタミンCは、水に溶けるビタミンで、さらに熱に弱いため、茹でるときは短時間で茹でるようにしましょう。小松菜の栄養素を効率よく摂取するためには油と一緒に摂るのがおススメです。小松菜といったら油揚げと一緒に煮浸し、というイメージがありませんか?美味しいだけでなく、実は栄養面でもしっかり考えられて皆さん調理されていらっしゃったんですね。